自筆証書遺言の改正について
1.自筆証書遺言の要件緩和(平成31年1月13日から)
民法において自筆証書遺言は、その全文・日付・氏名を自書し、押印しなければその効力が生じないとされていました。平成31年1月13日からは、「財産目録」部分についてはパソコンで作成したものでもよくなりました(新民法968条)。
具体的には、預貯金である場合は預金通帳のコピー、不動産である場合は登記事項証明書などです。ただ自書しない財産目録は、ページ毎に遺言者が署名押印しなければなりませんのでご注意ください。
なお、平成31年1月13日よりも前に,新しい方式に従って自筆証書遺言を作成しても,その遺言は無効となります。
2.法務局における遺言書の保管制度スタート(令和2年7月10日から)
自筆よる遺言書は自宅で保管されることが多く、遺言者が紛失したり、相続人が廃棄したり、隠したりされるおそれがありました。そこで、それらの問題を解決するため、遺言書の保管制度が令和2年7月10日からスタートします。
自筆証書遺言には全文・日付・氏名を自書し押印するという厳格な要件がありますが、法務局(遺言書保管所)にて形式面のチェックをしていただけます。また、自筆証書遺言の場合は、遺言者の死後、家庭裁判所において遺言書の開封作業(検認)をする必要がありますが、法務局に保管されている遺言書については,検認が要らなくなるというメリットがあります。