公正証書遺言とは?

 遺言をされる方(遺言者)が、公証役場という役所の公証人に遺言する内容を伝え、公証人が遺言者から聞いた内容を遺言書に記載し、遺言者、証人2人、公証人が署名及び押印することにより成立する遺言書のことです。
 公証人とは、裁判官や検察官などの経験者などが法務大臣に任命された国の公証事務を担う公務員です。公証人は、全国で約500名いらっしゃり、公証役場は約300カ所あります。京都府には、京都市、宇治市、福知山市及び舞鶴市の4カ所にあり、遺言者の住所地に関係なく、公正証書遺言を作成することができます。

公正証書遺言のメリットは?
(自筆証書遺言との比較)

  • 遺言書が無効となるリスクが少ない。
    自筆証書遺言は、遺言者自ら、遺言の内容の全文を手書きし(例外あり)、日付、氏名を記載し押印しなければなりません。それ以外にも、厳格な要件があり無効となるリスクがあります。
  • 遺言書を破棄・隠匿される可能性が少ない。
    自筆証書遺言の場合、自己に不利なことが記載された遺言書が発見された場合、破ったり、隠したりされる可能性があります。
    公正証書遺言の場合、公証役場にて謄本を発行していただけます。
  • 遺言書が紛失する可能性がない。
    公正証書遺言は、基本的に20年間(ある公証役場は、遺言者が120歳になるまで)、公証役場の金庫で保管されます。仮に、公正証書遺言の正本を紛失しても、公証役場が謄本を作成してもらえます。
  • 検認という手続きが要らない。
    自筆証書遺言は、遺言者が亡くなったら開封せずに家庭裁判所にて検認という遺言書の開封作業をしなければなりません。そのときに他の相続人に通知されるため、遺言執行に時間や手間が生じます。

公正証書遺言のデメリットは?

  • 時間と費用がかかる。
    自筆証書遺言の場合は、ご自身で記載すれば良いので、費用は基本的にかかりません。
    公正証書遺言の場合は、公証人と司法書士の費用が必要です。
    公証人と司法書士の専門家のチェックが入るので、安心料と言えるかもしれません。
  • 公証人と証人2名に遺言内容を口頭で言わないといけない。
    自筆証書遺言の場合は、誰にも言わずに遺言書を書くことができます。
    公正証書遺言の場合は、遺言内容を話さないといけないですが、公証人や証人である司法書士などには守秘義務がありますので安心です。

必要書類は?

  • 遺言者本人の印鑑登録証明書、本人確認資料(顔写真入りの運転免許証、マイナンバーカード等)
  • 遺言者の戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、受遺者の住民票
  • 財産の中に不動産がある場合
    登記事項証明書 及び 固定資産評価証明書 又は 課税明細書

    ※公証人役場により異なります。